世界で初めてステビア甘味料を普及させるなど、独自の食品加工技術で知られるモリタ食材研究所が、従来のものより格段にまろやかな風味のみその製法を、金沢市の「橋栄醤油みそ」(橋本忠彦社長)と共同開発した。日本の伝統的調味料の可能性が広がる新製法として、食品業界の注目を集めそうだ。 みその製法はどこのメーカーでも基本的には同じ。商品によって風味は異なるものの、今回の製法はみその塩辛さを抑えたという点で、「画期的」(守田悦雄社長)だという。 みその製造工程で、同研究所が昨年開発した食塩の塩辛さを低減する技術を応用し、従来のみそよりも大幅にまろやかな味が実現した。一般家庭向けには橋栄醤油みそが「味譜シリーズ」として市販。業務用販売は、同研究所が窓口となる。 一般的なみそと食感や香りは変わらず、みそ本来の風味を損なうことなく塩辛さを抑えたため、他の食品と混ぜても素材の味をしっかりと引き立ててるという。同研究所は「のりつくだ煮みそ」「みそマヨネーズ」「みそ明太子」など、従来は考えられなかった新メニューを試作。食品業界数社に提案し、商品化に向けて好感触を得ているという。 モリタ社長は「みそ風味の菓子やみそラーメンのスープなどでも、従来のみそと風味が違うと好評を得ている。魚介類や農産物の加工に使用することで、新たなブランドを作ることもできる。地域食品メーカーの発展に寄与できるのではないか」と話している。 (井上昌之) |
大阪日日新聞 2010年(平成22年)7月13日(火)掲載 |