O‐157の抗菌剤を開発 -竹からの抽出物で- タケックス、モリタ食材 |
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竹の可能性を追求しているベンチャー企業である㈱タケックス(代表取締役・清岡高敏氏、本社・吹田)は、竹の有効成分の抽出と利用研究を行ない、消臭剤などを開発、市販し、また竹素材を利用した鮮度保持剤、特殊床材などの商品開発に取り組み、ユニークな商品を数多く企業化してきたが、このほど㈱モリタ食材開発研究所(代表取締役・守田悦雄氏、本社・大阪市)の協力を得て、大きな社会問題になっている病原性O‐157に対して抗菌効果があり安全性の高い抗菌剤の開発に成功、本格的製造販売に乗り出すことになった。 この抗菌剤(特許出願中)は「タケガード」「バンブーガード」の商品名で売り出されるが、同品は安全性に問題のある塩素系殺菌、除菌剤などではなく、特定の竹を同社独自の抽出技術で製造した抽出物と、乳化剤、PH調整剤を原料とするもの。 抗菌剤の原料成分は、すべて厚生省が認めた安全な食品添加物を使い、食品に残存しても問題のない画期的なもの。当面、キッチンのあらゆる用途にスプレーして使用できる家庭用スプレータイプの商品の販売に力を注ぐとともに、食品加工用の業務向け商品などの製造販売を行う予定。 特に、これまでO‐157に効果のある安全性の高い抗菌剤が開発されていないだけに、O‐157対策に活用できる注目される商品。今回開発された抗菌剤の効果については、既に大阪市立大学医学部細菌学教室と大阪生物環境科学研究所(所長・医学博士森下日出旗、大阪府茨木市)の共同研究で確かめられており、また、他の食中毒菌である黄色ブドウ球菌、クレブシラ菌、セレウス菌、サルモネラ菌、腸炎ビブリオ菌、赤痢菌など広範囲の有害菌に対しても抗菌性が証明されている。 O‐157など細菌に詳しい森下日出旗氏は「竹には消臭、抗菌効果のあることは知っていたが、今回のカケガードはO‐157をはじめ広範囲の食中毒菌に抗菌性があったので驚いている。食品に使用できる安全性の高い成分で出来ていると聞いているので非常に評価出来る。特に抗菌剤の中には他の大腸菌に抗菌性が認められても、O‐157に対して抗菌性がないものがあるだけに、O‐157対策に十分活用出来ると思う。O‐157が特異な菌であるために、今後、このような新しい安全な抗菌方法が開発されることを期待している」と語っている。 |
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フードウィークリー 1996年8月26日 |
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