新技術開発などマスコミ報道


香りと味で食感刺激
大豆・小麦由来高品質調味料
発酵に特殊微生物 モリタ食材開発研が開発

 天然甘味料、ステビア大手のモリタ食材開発研究所(本社・大阪市城東区、守田悦雄社長、電話06-6931-4180)は、既存の天然系醸造調味料より香りや味質が優れた大豆・小麦由来の高品質調味料「味譜ベース」(商品名)を開発した。


 特殊な微生物を使って発酵・醸成させた点が技術的なポイントで、守田社長は「数値的には表現しにくいが人の食感を刺激する強い香りと、まろやかな味を実現しており、既存の完全天然を謳った調味料と一味違う」と話している。すでに大手食品メーカーなどから複数の問い合わせがあるといい、タレや惣菜、菓子類などの製造工程で隠し味を付加するのに最適。今月までに製造体性の整備を完了した。


 同社が長年培ったノウハウを投入して発酵・醸成工程での微生物の温度管理などを厳密に行うことで、添加物を使わずに個性的な香りや味を引き出すことに成功した。守田社長は、「詳細は公開できないが、温度以外にも湿度管理や時間設定などに当社独自のノウハウがあり、他社にはまねできない」と説明している。


 調味料中の食塩の含有比率は17%程度といい、独特の香りや味質はバランスの良いアミノ酸系成分の構成によって実現しているという。調味料は用途別に細粒タイプとペーストタイプの2種類を揃えており、同社の直販方式で顧客に供給。製造は同社の協力工場で行う。


 守田社長は、1971年に世界で初めて、ステビアの本格事業化に乗り出した技術者として知られる。モリタ食材開発研究所は82年に独立して設立。以後、ステビアなどの甘味料だけでなく、数多くの食品添加物や食品素材を手掛け、設立時に確立した醤油のスピード醸造技術(2週間で製造)を投入して事業化した「味譜味噌シリーズ」は大手食品メーカーなどにも採用され、今回の調味料はこの技術がベースとなっている。


化学工業日報(抜粋) 2011年(平成23年)11月30日(水)掲載
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