新天然醸造調味料を開発
業務用に香りとまろやかな味で モリタ食材開発研究所「味譜ベース」を提案 |
【関西】食品メーカー向けに技術情報の提供や食品素材の販売を手掛けるモリタ食材開発研究所はこのほど、大豆や小麦などの原料を特定の微生物を限定使用して醸造・醗酵熟成させ、非常に強い香りとまろやかな味を持つ天然醸造調味料の製品化に成功した。すでに「味譜ベース」の商品名で業務用ルートで発売を始めている。 同品は同社がこれまで培ってきた微生物、醗酵・熟成技術など一連の醸造技術・ノウハウを基に独自の工程を経て、製品化したもの。塩から味を極力抑え、香りとまろやかな味で、あらゆる味と調和する味に仕上げた。食品添加物は含まず、天然由来素材のみを使用。食塩を17%程度含むが、バランスのよいアミノ酸系成分による非常に強いうまみがあり、加工食品の風味の差別化を図るための天然由来素材として注目される。 細粒状とペースト状の2種類で、包装形態は1kg×12入りと15kgの2種類。用途は魚介類や漬物、米菓、たれなど非常に幅広い。守田悦雄社長は、「昨今は天然由来で風味の差別化ができる食品開発の要望が多く、本品を食品メーカーに直接技術提案していきたい」と語った。業務筋だけでなく家庭用の商品化も計画中だ。 同社は、1982年にバイオ技術を駆使した2週間での速醸という、まったく新しい醤油製造技術を発表して以来、食品の新製法の開発・提案に取り組んでおり、新しい味質の味噌製法などの開発にも成功し、すでに「味譜味噌シリーズ」として発売している。「味譜」というネーミングには、「音楽の楽譜のように味にも譜があってよい。同品はあらゆる味の譜のベースになる」(守田社長)との意味がある。(徳永精誠) |
日本食糧新聞 2011年(平成23年)11月18日(金)掲載 |