娑婆業
ふんふんとうなずいて話を聞いていた 老僧が ぽつりと あんたまだ娑婆業やってますンか?
円が高くなった これでは商売あがったりや
内閣支持率横目に 目先の勢力争いに目をふさがれ 政治の出来ない今の国会議員の面々
地方も中央も 他の国も 展望がない 未だ娑婆業やってるのですか と言われても返す言葉がない
自己の損得忘れて他人のために尽くす事 『忘己利他』
何処の国の外交見ても 自国の利益のみ追い求めている姿が痛々しい そこまで僕も含めてみんな
経済がそれほど大事か? と改めて問い返したい。
これも利便性を求めて止まない 進化の一過程だと思う。
自分の家の庭園管理には生産性を問う事なしにお金をつぎ込むのに 国家の庭園すなわち農地すなわち稲作には
何故生産性を求めるのか? 国が荒れる 国土が荒れる 言い換えれば農地が荒れる事ではないか?
稲田に手入れが施されて四季折々緑の草原になったり黄金色になったり そんなありさまを日本庭園として
上空から眺めたらどんなに心豊かになる事だろう。
僕も会社を興した時には 『創意と工夫で皆さまに御奉仕』と謳っていた
大晦日にお花を代えに行って石仏群と向き合った時 四百年も五百年も変わることなくそこにいらっしゃる仏さまの姿に教えられるものがあった。
娑婆業の世界で四十年も経つといつのまにやら 忘己利他 の教えが自分の中で影がうすくなっている事に気付かされた。
二十年を一代と考えれば 三度目のチャンス これからの二十年は 娑婆世界にペースを乱されることなく
自分の足で『創意と工夫で皆さまに御奉仕 忘己利他』を みんなで楽しみながら実現していきたい。
哲