ふるさとは 遠きにありて
 
僕の両親の出身地は越後の国である 先日父方の本家の33回忌で 三年ぶりに 魚沼を訪れた。
僕は終戦の年 生後2カ月で 越後の国を離れ  伊勢の国に移り住んだ。
今住んでいるところも 鈴鹿山脈のふもとで 山紫水明のところだが 泊めて頂いた 大湯温泉郷も
何か懐かしい 原日本風景を見た思いだった。
朝食の時間までの30分 タイムスリップしたように  懐かしい思い出の世界に戻った
 
 
 
寒暖の差の激しいこの季節 山からは霧が立ち ほんのりぼやけた景色に郷愁を覚える
 
 
 
冬近し この地も しばらくすると 雪の季節になる  
父は 雪降ろしの労働の意味が理解できず 都会に出たと言っていた
この地に住まず  訪れるだけなら雪景色に感動できるであろうが 住む人にとっては耐える日常であろう
 
カメラを構えていたら 鳶が挨拶に来てくれた
広い天空を 舞う鳶は 独座大雄峯 (どくざだいおうほう)
我はここにおる の世界だ
上昇気流に乗って 自らの力を使うことなく 雄雄と舞う 他力の世界を鳶に見た
新潟に来て 何を撮ろうかと思っていた 自分が可笑しかった
与えて頂いた30分 僕が計画した訳でもなかった
これも鳶の上昇気流だった。仏さまからのプレゼントだった。
 
感謝 感謝  ありがとうございます。