65年のリセット
 
昨日の荒れた天気も 今日は台風一過のように良い日になった
 
悪天候のため中止になったF1も今日 予選と決戦が同日に行われる事になった
 
すがすがしい陽気に誘われたのか 父も又夢の中の世界に導かれるままにいなくなった
 
幸い家の者が歩いている父を見つけ連れ帰った
 
 
何処に行ったのか聞いてみたら 30年前に貸した歴史の本を返して貰いに
 
昔の知人の家まで行ったとのこと  その方も今年81歳になっておられた
 
大事にしている小林家の 『出立ちの記』 と言う
 
65年前この地に縁あって生活を始めた時からの写真を納めたアルバムなのであるが
 
その中に 父の訪ねた方の写真が有ったので お詫びかたがた 複製を作り持って行った
 
その方が 写真を見るや否や わぁ〜これ私が19の時の写真や と言ってびっくりしていた
 
父が65年前 この地に来て 最初に出会った そしてその方のお陰で
 
開拓営団に入植出来た大恩人のお嬢さんだったのである
 
 
 
話に花が咲きついつい長話になったのだが 65年の歳月はいつの間にかつい昨日のように思われた
 
彼女の家にも残っていない写真がある事が分かり 急いで帰って複製を作った
 
僕も毎日お経をあげる微笑の観音様の額の中に父の恩人の方の写真を一緒に入れて拝んでいる
 
まだ三人目の弟の生まれて無い時の家族の写真を持っていったら
 
彼女がそのおくるみを見て これ私が縫ってあげたものよ あぁ〜なつかしい と言って喜んでいた
 
 
本当に65年って何だろうと思った 月日の流れなんて便宜上決めたこの世だけのもので
 
宇宙絶対空間にははかるものなんて 何もないのではないかと思う
 
思った瞬間に思いは あっちへも こっちへも行けるのだから
 
父も昔の思い出の人を無意識に訪ねるのは 暇乞いなのか?
 
今夜も睡眠薬代わりに薄めた梅酒を持って行ったら あぁ〜美味しいと満足げに飲んで床に着いた
 
父のお陰で沢山の貴重な体験を共有出来るのは本当にありがたい
 
感謝  感謝 ありがとうございます。