黒アゲハのランデブー
出掛けようと四駆のイングニッションキーに手がかかった
時々大粒の雨が降る天気だった 雨雲で薄暗くなりかかったその時
目の前を黒い物体が横切った 確か二つに見えた
車を降り黒い影を追った
柿の木の下に雨宿りに向かった その頃合いを見てカメラを取りに行った
なんとなく千載一遇のチャンスと感じた
ストロボの光に照らされた 黒アゲハはこの世のものとは思えない美しさをくれた
二度とないこの時空を絶対見逃さない
雄を追う雌の姿も美しい 両者とも宙を移動しているきっと記念に残して欲しかったのだろう
そんな 儚いこの世の時間を精一杯生きる蝶の今
安心しなよ おふたかた 僕がしっかり写しとめたよ
この美しい姿 僕の宝だよ ありがとう
ちょうちょさん
哲