混色協奏曲
爪切草(ちめぎりそう) 子供の頃こう呼んでいた
爪でつまんで切って挿し芽すとどんどん増えて行く 生命力の強い花である
美しく入り混じって咲いていた 隠された理由があった
花を植える時 何色と書かれているレッテルを剥がして作業員に渡すそうである
するとなんのこだわりも 思考も働かず ただ植えてくれる
その結果が 混声協奏曲の花の色なのである
なまじっか知識があると その人の癖 好み が出る
何もなければ自然の流れなのである
だからレンズもひとりでに彼女の方を向くのである
今日も花に教えてもらった
哲