静寂の時
静寂の真っ直中 夜明けのカーテンを引くように般若心経が響く
右からでもなく 左からでもなく 包み込むような柔らかい風に身体をゆだねる
響き渡る般若心経の声につられてか 白鷺も声を合わせて来た
白みかけたいつもの風景の彼方に枝いっぱい白い花をつけた辛夷が浮かび上がる
霧雨の降る潤いに満ちた空気の中にたった二色しか識別出来ないこの時間なのに
私の心身は満たされている
立って半畳 寝て一畳
今朝はこんな世界を味わった歩き瞑想だった
哲