防霜ファン
 
ここに住む人以外聞きなれない言葉だと思う。二十数年前このキララの里のお茶畑を晩霜が襲った
 
五月に入ってもう明日からお茶刈りと言うような時だった 
 
新芽の萌黄色が見事に真黒になってしまった。 それを機会に一気に防霜ファンが普及した
 
 
地上が0度の時3メートル上の温度は4度 その温かい空気をファンの力で地上に降ろせば霜は融ける
 
と言う理論でキララの里全体のお茶畑を対象に 政府の補助もあって完成した
 
今はこの防霜ファンは 全国のお茶の産地に普及している
 
それによってかどうか 今は慢性の生産過剰気味になっている
 
先日参加した農業研修では 機械化の過剰投資で経営が行詰ったお茶農家の話が出ていた
 
     
 
 
ちょっと寒さを感じる朝は早くからファンが回り始める
 
歩いていても 風を受けると体感温度は余計に低く感じる
 
 
これから5月まで 冷たい風と にぎやかなファンの音を供として歩く
 
歌舞伎町の人ごみの中を歩いていると思えば 淋しくなくていい
 
今夜も寒いと見えて もう回り始めている