お彼岸の中日
朝から雨が降っていた 思えば今日はお彼岸の中日さん
お墓掃除にはもってこい 水が要らないのだ 天が与えてくれる
墓石磨きの クレンザーとバケツ たわし 雑巾を軽トラックに積んで出かけた
案の定ワインレッドを少しくすぶらせたような色の苔は
雨で浮いてたお陰で クレンザーで綺麗に落ちた 墓石はピカピカになった
七回忌の法要の終わった親戚の人たちが はるばる父を訪ねてくれた
もう皆七十歳以上 人の顔を見てもとっさに思い出せない父も今日は上機嫌だった
それぞれに 過ぎ去った過去を思い出し 今の幸せを喜んだ
孫娘が離婚し二児を抱えて途方にくれた日々を顧みて
再婚し三人目のひ孫の誕生を楽しみに満面の笑みのおばあちゃん
捨てる神あれば拾う神ありや と笑っていた
八十過ぎて神さまの法則が身体で分かった様子だった
あっちが痛い こっちが痛いの親戚の人達を四人程マッサージしてあげた
何所まで行っても みんな仲良しは最高や
五年前息子が結婚したと喜んでいた友達も
喜びが覚めれば嫁と私は前世敵同士だったみたいや と運命を嘆いて帰って行った。
あぁー 自未得度先度他 如何?