冬の章
天気予報通りだった
別に雪越しの風が吹いた訳でもなかった
午後から静かに雪が舞いだしやがて本格的に降り出した
雪が降ると 放たれた犬が無我夢中に走り回るが如く
僕のこころも踊る
四駆にカメラを積み込んで走り回る
雪の夜四十年来の友と語った 子供の事であった
友人曰く
俺に似てもうちょっと社交的であったらいいのにと思うんや、、、
そうか
家の子は 絶対お父ちゃんみたいな人とは結婚せえへんで〜
と 言っていたよ
三人とも真面目な旦那さんと御縁があって仲良くやってるよ
そんな時 三好達治の詩 『雪』を口ずさんだ
太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。
次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。
同じ兄弟でも 同じように見える雪でも
太郎の屋根には太郎の 次郎屋根には次郎の雪をいただくのやな〜
そやな〜 俺の考えを押し付ける訳にはいかんもんな〜
久しぶりに電話だったけれど
オートバイで風切って走っていた頃に帰って話が出来た
安心して喋れる友がいると言う事は 人生最大のしあわせだ
哲