忘れ秋
秋が忘れられていた
カラスもまずくって食べないと言われるカラス瓜が
わが世の春と言わんばかりに誇らしげに光っている
カラス瓜にすれば 天寿を全うした事になる
さそりの火 と言う詩を思い出す
イタチに追われたさそりが 古井戸に落ちた
お陰で一命は取りとめた
しかし 這い上がろうにも出られない古井戸の中でいずれ死ぬのである
そこでさそりは 大きな気付きを得た
こんな事なら イタチに食べれた方が良かったのではないか
食べたイタチは何日か長生きする イタチの役に立ったでは無いか
このままでは 誰の役にも立たずにただ死ぬだけだ
誰のお役にも立たずただ死ぬのは空しい
その気付きを聞き届けた神様は
サソリをお星さまにしてあげた
このカラス瓜は 立派に僕の写真のモデルとして存在している
カラス瓜の☆なんて ちょっと響きが悪いもんね
夢狩人 哲
2007・1・17